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読書癖②

 思い返せばそのころから現在まで、私の読書癖は一貫しています。

 まず、関連するテーマの本を固めて読み進めます。小説なら、読み始めた作家の小説を追いかけます。評論のたぐいなら本文や巻末で紹介されている「参考文献」などをたよりにして芋づる式に読み進めます。これを数ヶ月から長いときには数年単位で続けます。頭の一隅には、常にその作家やテーマのことがあります。

 次に、何冊かの本を同時進行で読み進めます。2~4冊程度なら常に同時進行です。ちなみに、9月のころですが、その時の状況は……9冊。挙げてみましょうか。興味ない方は読み飛ばしてください。

①『街道をゆく 26嵯峨散歩、仙台・石巻』司馬遼太郎 朝日文庫

②『日本の歴史 21明治人の力量』佐々木隆 講談社学術文庫

③『海軍基本戦術』秋山真之 中公文庫

④『石原莞爾の世界戦略構想』川田稔 祥伝社

⑤『福翁自伝』福沢諭吉 岩波文庫

⑥『日本後紀 中』森田悌訳 講談社学術文庫

⑦『親鸞 歎異抄・教行信証Ⅰ』中公クラシックス

⑧『万葉集 4』中西進訳注 講談社文庫

⑨『街道をゆく 34大徳寺散歩、中津・宇佐のみち』司馬遼太郎 朝日文庫

以上、メモによる。全部、歴史か古典でした。場所を明らかにしておくと、鞄(つまり電車の中)に⑨、枕元に①⑧、トイレに⑤、あとは机上・卓上。要するに生活のそれぞれの局面で読んでいるものが違う、ということ。既読(2度目以上というもの)は①②⑤⑦⑧⑨。なぜ複数になるかというと、時の気分。なぜ増えるかというと、授業の予習をかねて(②⑨)。息抜き(⑧)。本の中で引用されている本を、待ちきれずに読み始める(⑤⑥⑦)。本屋で見つけて衝動買いした本を、待ちきれずに読み始める(③④)。もちろん、それぞれを読了するまで時間は余計にかかります。途中でやめてしまうものもありますが、読了しないことに罪悪感は特別感じなくなっています。そうなると読書は、必要性はあったとしても義務感からは解放され、自由を得ていると言えます。

 頭がヘンにならないか、……なっているのかもしれません。弁明すると、頭の中で思考の及ぶ水たまり状の範囲内に、どれもとどまっています。それぞれの本を読みながら考えていることが共鳴してくることがある、ということのようです。