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RWC⑩ 大会終わる

 ついに終わってしまいました。私個人としても十分に楽しませてもらいました。日本が敗れ、オールブラックスが敗れてしまいましたが、決勝戦はいい試合だったと思います。


 2015年前回大会の決勝はオールブラックス(NZL)対ワラビーズ(AUS)。「ラグビーの進化の歴史を凝縮した最高のゲーム」と言われるように、ラグビーの奥深さと面白さを堪能したのでした。スピードとパワーのバランス。パスの妙技。バックロー(フォワード第三列)の重要さ。ワールドカップ決勝にありがちな堅いプレー(=面白みに欠けること)もなく、むしろ優勝に向けた両チームの気迫が画面を通じて伝わってきました。そして、衝撃の結末。オールブラックスの象徴、リッチー=マコウ選手とダン=カーター選手が自らのラグビー人生の締めくくりとして持てる力を出し切り、実況や解説者も感動し、興奮し、「もう彼らのプレーが見られなくなると……。もっと見ていたい」とコメントしていました。

 前回大会以降、ラグビーはさらに進化したと言われます。とりわけ、今回大会が始まる前、キッキングラグビーの進化(戦術上キックの重要性が増す)が表れる大会との前評判がありました。たしかに、キッキングラグビーの最先端を行くオールブラックスの戦いにはさらに磨きがかかった場面がありました(予選の対南アフリカ戦)。しかし、結果としてはディフェンス力が勝敗を決する大会になったようです。準決勝でオールブラックスを封じたイングランドのディフェンス、決勝でイングランドを封じた南アフリカのディフェンスが象徴的ですし、日本の躍進もディフェンス力(前に出るディフェンスと精度の高いタックル)に支えられたものでした。日本で言えば前回大会のエディ=ジョーンズの時に導入されて定着した「前に出るディフェンス」です。これがうまくはまると攻撃側は「攻撃しているのに後退するしかない」状況となります。「うまくはまると」というのは、当然「前に出る」とその背後のスペースを狙われる危険性もあるわけです。つまり、キック。

 ディフェンス力とキッキングラグビーとのせめぎあい。試合開始から20分間押されていたオールブラックスはキックで状況を打開して南アフリカに勝ち(予選)、キックを封じられたオールブラックスはイングランドに敗れました(準々決勝)。今回はディフェンス力でゲームを制圧した南アフリカが優勝した、ということのようです。


 優勝決定直後、南アフリカのキャプテン、シヤ=コリシ選手のコメント、「様々な背景、人種が一つになって優勝できた。一つになれば目標を達成できると示せた」。同じころ、身長2mを超えるロックの白人選手(大会期間中、本人は否定しますが人種差別疑惑問題が浮上している選手です)が、小さな黒人選手を抱きかかえて、おでこにキスをするシーンが映し出されていました。