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過去問の鉄則②

③手当たり次第にやる 

 秋以降過去問を集中的に行うにしても、個人で入手できる過去問は数年分。最新年度からやるか古い年度からやるかという点もありますが、とにかく片端から順にこなす、というのは避けるべきです。

 指導の現場で困ることは、高校の授業で、あるいは予備校で、最新年度の過去問を安易に使用しているように思える点です。「安易に」というのは、受験生当人の入試1年も前に最新の過去問を与えてしまうこと。どの時期に最新の問題を解くかということは、年間の計画に基づいて決めたいところですから、正直に思うことは「もったいない」。ひどい場合には解答を配布しておしまい、という授業もあるようです。配布された時点で「今やりたくない」ということで「内職」をはじめ、解説の時は耳をふさいでいたという高校生もいます。


 高校受験の、都立共通問題は例年教科の平均点が安定しています。近年の理社のように例外はありますが、英語・数学・国語はおよそ60~70点です。つまり難易度にブレがありません。一方、都立自校作成校や私立・国立の問題は、難易度が安定していないところが多いのです。極端な例を挙げれば、例年60点ぐらいが合格ラインなのに、ある年だけは20点でもOKというようなこともあります。問題は、そうした情報を知らずにその「20点オーケー」の問題を解いて予想外の難しさに必要以上にショックを受けることの危険性です。逆に、あまりに易しい問題をそれと知らずに解いて慢心するということもありえます。さらに、同じ結果であっても本人が過度に自信を失っていると見れば励ましてあげる必要がありますし、逆に過度に自信をもっていると見れば油断を戒める必要があります。このあたりを見極めて生徒にかける言葉を選ぶのは、指導の現場において最も難しいことの一つです。

 考えてみれば当たり前のことながら、おそらく、同じ過去問であっても解く時期によって出てくる結果は大きく異なるものと思われます。受験生当人の学習の到達度やコンディションを見極めた上で、難易度や出題内容を考慮しつつ挑戦する問題を選定するのが理想です。過去問こそは、手当たり次第にやるのではなく、中長期的な計画のもと、外側から与えてあげるのが無難であり効果的であるということです。