• ogata

打つ手はある

 ある中3生。教えるべきことは教え、吸収すべきことは吸収しきっている現状です。これまで順調に受験勉強をこなしてきて、冬期講習会のころ得点を取り切れないという点でやや沈滞していました。さまざまな話をしつつ、1月になり、散発的に結果が出るようになりました。英語・数学・国語のそれぞれで合格は見えています。そして、まだまだ伸びしろがあると見ています。さらに伸びれば、圧倒的な得点力の域に入ります。気配があります。ただ、そこまで突き抜けられず最難関高校の過去問を繰り返しています。

 たとえば数学で、過去問演習をやります。仮に60点だったとします。終了後、教師が採点している間に本人は残りの問題を自力で解いてしまします。つまり、時間内で収められない状態が続いています。英語では文法問題もできるし、英文も読めています。2ヶ月前は単語力がもう少しほしいというところでしたが、この2ヶ月でさらに上のレベルの語彙力もついてきました。しかし、やはり時間内で収まりません。我々は、学力ではなく、技術ではなく、メンタルの問題だと見ています。

 10日ほど前、相談の結果、思考力が働かなくなるスピードを経験するという練習を取り入れました。「一度スリップしてみなければスリップするスピードはわからない」ということです。「活字の上を目が走っているだけで考えられない」ところのちょっと手前、ギリギリのところで考えられるようになることが目的です。それにより、質を維持したままスピードが増し、英語と国語が一気に合格点を超えるようになりました。国語はそのまま安定して、「いい答案」を連発しています。英語はまだ波がありますが、「抵抗感のある」個々の設問タイプごとにスピードをあげる訓練をしています。そして、数学。わからないわけではない。本人いわく「一線を越えれば取れる」感触があります。

 先週末、2日続けて帰宅時に、本人と英語・数学・国語の担当者4人でじっくり話をして今後数日間のプランを立てました。これを受けて昨日の数学演習。ふだん過去問演習では、50分の試験問題なら45分、60分の試験問題なら55分の時間設定をしています。ほぼ通年で徹底していて、いわば常識的な設定です。しかし、昨日は、あえて、

○55分でタイマーをセットするが、その時点でプラス15分のロスタイムをあげるから、納得のいく答案を作るように。

という形での演習です。朝一番に演習を行った結果、

○55分の時点で66点、プラス15分なら93点。

この演習の狙いは「時間さえあれば満点も狙える」ということを明瞭に実感すること、でした。「課題は時間だ」ということが確かな形で現れたわけです。プラス15分(実は10分ですが)とはいえ「93点」という結果に本人の気分が上向きになったという副産物もありました。

 午前の演習を終えて、午後から明日までの正味2日間、過去問演習は中断します。2~3日間で最終段階の教材をもう一度復習しなおして「見た瞬間解き方の道筋がわかる」ところまで追い込むように、という指示をしてあります。いわば、いい感触をもってしゃがんでおいて、力をためて大きくジャンプすることを目論んでいるわけです。


 まだまだ打つ手はあります。